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  1. 青森県議会 2001-03-21
    平成13年農林委員会 本文 開催日: 2001-03-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前 11時7分開会 ◯長峰委員長  ◎開会宣告  ◎会議記録署名委員指名山内委員高樋委員  ◎欠席者報告山口参事農業構造政策課長)  ◎審査案件議案8件、所管事項  ◎審査順序議案所管事項  ◎提出議案に対する説明要請 2 ◯仙北農林部長  本会議から農林委員会に付託された議案は、議案第46号青森農業協同組合合併助成条例の一部を改正する条例案をはじめ、改正条例案5件、工事請負契約の件3件の計3件である。内容、詳細については、小倉次長から説明させるので、慎重御審議の上、原案どおり御承認いただきたい。 3 ◯小倉農林部次長  [別添「提出議案説明書」参照] 4 ◯長峰委員長  ◎議案に対する質疑宣告 5 ◯三上(隆)委員
     議案第62号の工事請負契約の件、相馬ダム関係であるが、先般の予算委員会一定の答弁は受けたところである。ただ、工事進捗状況と特に完工時期がいつなのか。そのことを確認しなかったので、まずそのことをお答えいただきたい。 6 ◯山本農村建設課長  相馬ダムであるが、ダム本体工事については、ほぼ完了しているが、背後の安全を確認するため、試験湛水を今年の末から来年度の雪解けまでの間に行う予定にしている。ダムの最終的な安全を確認した後、関係機関検査等一定の手続きを経て平成14年度の完了を予定している。今年の末の試験湛水を行うために、地滑り対策工事をそれまでに終わらせなければならないということで、この地滑り対策工事について今回の議会で御審議いただいているところである。 7 ◯三上(隆)委員  ただいま、完工が平成14年度、それまでには湛水試験も行うということだが、その地滑りの地域が、湛水試験をやっても支障のないところなのか。 8 ◯山本農村建設課長  地滑りの発生のおそれがある地域は、ダムの上流の左岸の方になる。ダムができて、水を貯めていった時に地滑りが発生するとなると、非常に危険な状態になるので、試験湛水までには地滑り対策工事を終わらせたいと考えている。 9 ◯三上(隆)委員  ダム内の場所ではないということなので納得した。早期に完成させてもらいたい。  今現在、26年目である。そして完工が約30年になるわけなので、あまりに長期間かかるのであれば、多額の投資が無駄になるということに通じるわけであるので、着工したらなるべく早い時期に完成させていただきたい。  次に、議案第48号青森改良普及員資格試験に関する条例の一部を改正する条例案についてであるが、これは、採用の条件を緩和するという解釈にたったらいいのか。より厳しくなるのか。農業関係なり、家政関係の教科を経ていない者が実務の現場へ行って即応できるのか。それとも、一般教養の高い者が入って、一定研修期間を与えればそれ以上に期待できるという見込みなのか。その点について支障がないか伺いたい。 10 ◯中川農業技術課長  改正については、農業改良普及員生活改良普及員があるわけであるが、普及員になるためには、資格をとらなければならない。その資格試験を受ける条件として、今までは、農業関係であれば農学、生活関係であれば家政学というようなことで、ある一定の学部なりの枠があったわけである。しかし、こういう時代の中で、もっと幅広い人材を多く得ていきたいという国の考えもあり、その枠を取って、例えば、理学関係の人でも受けられるようにすると、要するに門戸を広くしたというのが改正主旨である。それから、生活と農業と今まで分けていたが、これも一緒の中でやっていくということで、要するに技術もそうだが、人格的にも幅の広い人を入れていきたいというような主旨である。それから、そのことによって、現場の指導能力なり、そういったものが低下しないかという質問だが、基本的には、改良普及員になるためには、その資格をとって、県の採用試験を受けて合格すると普及員になるわけだが、そうなった場合でも、やはり現場での実戦力ということになると、なかなか大学だけでは限度もあるので、一つは農家に入れて、実際の仕事をさせながら体験研修といったことも実施するし、試験場なり、そういうところに入れて技術的なレベルも高めて農家の人方に指導していくことにしている。 11 ◯三上(隆)委員  改正主旨は分かった。賛同したいと思う。  次に、議案第49号青森家畜検査手数料徴収条例の一部を改正する条例について、改正の目的は分かるが、検査については、どのようなものを検査しているのか。その実態を伺いたい。 12 ◯山口畜産課長  青森家畜検査手数料徴収条例検査内容だが、これは家畜保健衛生所畜産農家家畜に対して、いろいろな疾病の関係検査を行う内容について定めたものである。 13 ◯三上(隆)委員  例えば、家畜のエサ、飼料内容検査も行っているのか。もし、あるとすれば、今問題になっている遺伝子組み換え穀物内容検査するような制度になっているのか。 14 ◯山口畜産課長  それは、家畜検査手数料徴収条例ではなく、議案第47号の畜産試験場手数料関係ではエサの分析とかの手数料も定めている。 15 ◯三上(隆)委員  それでは、改めて議案第47号について、質問は繰り返さないが今の関係でお答え願いたい。 16 ◯山口畜産課長  畜産試験場関係手数料徴収条例の中では、エサの分析、例えば、無機成分であるとか窒素とか、そういういろいろな成分の分析はやっているが、スターリンク分析についてはやっていない。 17 ◯三上(隆)委員  スターリンクという遺伝子組み換え穀物による調査はしていないということだが、県内にその検査をする場所があるのか。ないとすれば、県内加工業者が該当する検査はどこでするのか。 18 ◯山口畜産課長  スターリンク検査については、県内機関においては実施していない。国の機関においても飼料検査については、全国6箇所に飼料検査所という農水省機関がある。その中で、東京飼料検査所のみが飼料関係スターリンク検査を実施している。  国においては、今後、大阪の飼料検査所においても検査体制を整備する予定と聞いている。あと、民間においては、それぞれ検査機関があり、そういうところでも一部実施していると聞いている。 19 ◯三上(隆)委員  青森県内飼料加工しているところは、民間の検査所を経由してきた原料によって飼料加工しているということになれば、それで果たして民間と公的機関検査の度合いが、どっちの方がより正確に、しかも、姿勢として厳密に、それを検査する体制になっているかどうかが問題になってくるわけである。もし、青森県にも、県内飼料にも、そういう加工原料が入ってきているとすれば、それはどこで防ぐことができるのか。 20 ◯山口畜産課長  スターリンクの件については、現在、アメリカで生産されたものが日本国内に入ってきているという状況になっている。アメリカからの輸入については、一番最初、食料関係スターリンクが混入しているというようなことで、いろいろ問題になったわけで、飼料用については、日本では、スターリンクについては承認していない。  そういう中で、アメリカ等からそういうものが入ってくるという事例が生じたので、アメリカ日本の間で日米協議があった。その中で、昨年12月に日米協議が合意され、農水省アメリカの国務省との間に輸出前の検査を徹底するという形で合意が図られている。その合意内容の主なものは、例えば、輸出するトウモロコシ検査する者は、米国農務省が承認した基準に則った形でできるとか、サンプリングについては、公式な方法でサンプリングするとか、あるいは検査のいろいろな過程、収集データとか実際の検査の中で、必要があれば日本農水省の職員が行って、立ち会い検査を単独でできるということで、輸出する前においてトウモロコシの中にスターリンクが入っていないということを確認した上で日本に輸出するという合意ができて、その体制でもって、現在日本に入ってきているものについては、スターリンクが混入していないという形で農水省においても了解して、輸入している。  日本においては、随時抽出検査を行って、安全性をさらに確認するというチェックシステムをとっている。 21 ◯三上(隆)委員  食用と飼料とどちらが禁止されているのか。 22 ◯山口畜産課長  日本においては、食用も飼料も承認されていない。アメリカにおいては、飼料用として承認されていた。 23 ◯三上(隆)委員  飼料も食用も、まだ、トウモロコシについては、輸出の禁止が解けていないということである。しかし、実態は、流通の状況は必ずしもそうではないということがあるので、担当課として十分留意しながら、そんな危険なものが入ってこないように、危険かどうか、まだ未知的なものがあるが、危険と言われていることもあるので、十分慎重に対処してもらいたい。  次に、議案第64号工事請負契約の件、指久保ダム関係である。72億円余の工事が住友、田中組、田中建設の3社のジョイントベンチャーによる仮契約によって、今回の会議に付されているわけであるが、この工期がどのくらいかかるのか。これは、今年の発注の単価が72億円余であって、最終段階では、どのくらいの投資と年数を一応目安としてみているのか伺いたい。 24 ◯山本農村建設課長  今回の指久保ダム本体工事発注だが、ダム自体は、一期工事と二期工事で完成ということになっている。一期工事の分として今回発注したわけであるが、この工事期間は、平成17年6月30日を予定している。ダムの高さは約38mぐらいあるが、そのうち、今回の工事は10m程度まで行うことにしている。残った工事については、1期工事が終わった後の発注ということになる。全体の完成は、平成22年で、全体事業費は213億円である。 25 ◯三上(隆)委員  これほどかかる工事であるので、しかるべく地域住民の要望があって、そしてここまできたんだろうと、その労苦に対しても察するものがある。しかも、年度の設定が、これから10年で完成するということであるので、この程度の事業であれば、10年間ならやむを得ないのかなあと思う。その期間内で完成させる。これは国の財政の措置も当然必要であろうが、一つ、努力をされたい。  そこで、それに関連して伺いたいが、この建設3社の中に当委員会関係者も入っているわけである。その関係者というのは、私は、契約上の問題ではなく、これを審議するための、その慎重を期すための関係者という意味である。  その人が、今日たまたま欠席されているが、例えば、この種のものが、ここ数年、県の発注事業に対して関係する委員がどのくらいいて、このようなケースがどのくらいあるのか。その実態を、できればこの機会にお知らせ願いたい。 26 ◯田中農林部次長  個々の会社経営関係を県で調べて公表するということはいかがなものかと考えているし、農林部の方でも調べていないので答弁はできかねる。 27 ◯三上(隆)委員  私は、個々の会社云々について言っているのではない。たまたま、今回、こういう事例が起きたから、法律なり、青森県議会委員会条例、あるいは、地方自治法で兼職、兼務を禁止するという条件があるわけであり、その条件があるということは、それに対して支障があるから否定しているわけである。だから、そういうケースが、本県にどの位あるのか教えていたきたい。その会社の名前がどうとか、誰がではない。どの位のケースがあるのか、その実態をまずお知らせ願いたい。 28 ◯長峰委員長  それは、相当調べなければならないことのではないか。  (調べると言っても、委員長。)  いや、ないとしても、あるかないか、それを調べてみないと。  (自分でまず調べて、それで指摘していかないと答弁できないと思う。)  指摘することがあるのか。  (何を指摘するのかだ。) 29 ◯三上(隆)委員  私の聞いているのは、県議会として、こういう審議関係者がいては困るということで、除斥をした場面がどのくらいあるかということである。  (審議のときの除斥か)  そうそう。  (それも調べなければ分からないんだ。) 30 ◯仙北農林部長  今の御質問主旨が分かったが、我が農林部においては、そういう事例はないと記憶している。 31 ◯三上(隆)委員  農林部は本当にないということを確認していいか。 32 ◯仙北農林部長  私、本庁に勤務して30何年間の間に、そういう記憶はない。 33 ◯三上(隆)委員  それでは、議会の議事課なり、事務局を通して、そういうケースがどのくらいあるのか。それを、今回の会議審議中にお知らせ願いたい。
    34 ◯長峰委員長  それは、何年前にさかのぼって調べろということか。 35 ◯三上(隆)委員  例えば、10年まで簡単に調査できれば10年間さかのぼって、まあ、平成に入ってからでもいい。 36 ◯山内(和)委員  今の三上委員質問について、議員兼職禁止地方自治法にあるわけである。議員が当選したときに、もし関係があれば、その会社の役員を皆辞任しているはずで、それで議員になっている。議会の事務局でちゃんと確認して、それを話し合いで、ちゃんとやってきているはずなので、万が一、そういうことがあるというと、資格問題にかかわることであるので、これは、農林部とか、土木部とかということでなしに、これは、選挙管理委員会になるか、そちらの方のおそらく指導でやっていると思う。  今、部長は30何年間ないと言ったが、おそらく、ずっとないと思う。もし、それがあれば、議員が失格になるわけである。今のは、果たして当委員会で扱っていいのかどうか。 37 ◯三上委員  私の質問内容を理解していないようである。委員会条例の中に、委員長及び委員除斥云々とあるので、そういうケースが今まで何件あるのか。議事課に聞けば、すぐ分かることだ。だから、それは会議中に報告してくださいと。それによって、ここの委員会の所管ではない。拡大することは分かっている。実数だけは、まず教えてもらいたい。 38 ◯長峰委員長  三上委員に聞くが、部長はないといっているが。  (そうではないと思う。) 39 ◯高樋委員  議事進行。今のこの議案に対する質疑をしているわけである。議員職においては、今、山内委員が言ったように、地方自治法で、兼職禁止という規定があり、県議会に議席を与えられているこの現実を考えたときに、今の議論は、なぜ、この議案に関連してくるのかが全く見えてこない。その辺は、やはり、整理して質疑をして、そして審議を継続していただきたい。 40 ◯長峰委員長  三上委員に申し上げる。関連するというような、あなたの判断かも知れないが、今の説明があった議案についての質疑にとどめておいてもらいたい。 41 ◯三上(隆)委員  私が質問してるのは、今回、議案として提案されて、その事業が、適切な、しかも効果ある事業をしてもらいたいという主旨質疑なわけである。だから、兼職あるいは除斥の条項がある。そういう事件が、本県にどのくらいあるのか。ごく最近のものでいい。それが本当に実態なのか。そこをただしたい。 42 ◯長峰委員長  議案について説明を受けたし、今までずっとやりとりを聞いても、かなりそれを超えたような議論までもあったが、とにかく、先に、このことについての質疑、これは、後で、もしあるとすれば、別にやってもらいたい。  (それなら議案に反対すればいい。) 43 ◯三上(隆)委員  議案に反対する、しないではない。その実態をただして報告してもらって、それが青森県の実態なら、その実態によって、これから議論が展開していくのである。問題がなければそれでいい。だから、それを調べて審議中に報告するということを、委員長は約束できないか。 44 ◯長峰委員長  今日、この場でなくてもいいんじゃないか。最終日までで。 45 ◯三上(隆)委員  約束すればすぐ進む。それを出すか出さないか。 46 ◯長峰委員長  いつまでか。議会が終わるまでか。  (やる必要はないよ、これは。) 47 ◯三上(隆)委員  この委員会が、何時に終わるか分からない中で、その時間を特定しない。少なくとも今議会の最終日までに私に資料で提示してもらいたい。それを約束できるか。 48 ◯長峰委員長  委員の皆さん方にお諮りする。今のことについて、議会が終わるまでに返答してもらいたいという三上委員のことについて、皆さん方は、どういう考えか。 49 ◯北委員  これについては、今、部長も、30年間ないということを明言しているので、その必要はないと思う。 50 ◯長峰委員長  三上委員のことについては、私は耳にちゃんと入れたが、先に議案について、もっと質問あれば。他に質問はないか。  (なし)  ないようであるので、これをもって、議案に対する質議を終わる。  議案の採決を行う。  議案第46号から議案第50号まで及び議案第62号から議案第64号まで、以上8件の原案を承認することに賛成の方は御起立を願いたい。  (委員長、その採決の仕方、1本1本採決してもらいたい。)  起立多数である。  (要望だ、それは。)  (いやいや、こんな採決の仕方があるか。いつ、どこで決めたのか。議案を1本づつ採決したらいいんじゃないか。)  1本1本か。  (起ちようがない、それ全部で聞かれたら。)  それでは、もう1回採決し直しする。  (1回採決したもの何でやるのか。)  1本づつ。議案第46号。  (ちょっと待ってもらいたい委員長。いいのかそれで。)  1本づつだという要望である。  (1本づつというのは、それは三上委員の希望はそれでいいが、委員会の運営としてそれでいいのか。)  議案第46号に賛成の方の御起立を願いたい。  (済んだ)  (採決は終わったのではないか。)  1本づつ採決してくれという要望があったので、もう1回採決したい。 51 ◯山内(和)委員  先程、委員長から議案に対する採決を行うと、こうなったときに、もし、そこで三上委員から採決前に、そういうことが出れば、各議案毎に採決に入る。要するに、一括になった問題、そのときに、そのまま入ったので、これはやはり、一事不再議というか。決まったわけである。  (委員長議事進行に対して・・・)  (先に決めるべきだ。)  (採決を確認してからやった方いい。) 52 ◯長峰委員長  もう一度。先程の採決はそれで決まった。起立多数である。原案を承認することに決定した。次に所管事項について質疑を行う。 53 ◯北委員  国は、今、食料自給率40%という目標を立てているが、これは、かなり面倒なことだと思う。これについて、どのように我々が向かっていけばいいのか伺いたい。 54 ◯仙北農林部長  今回、新しい農業基本法が制定されて、それを執行するに当たって、自給率の目標設定をすべきだという意見が出ており、農水省も結果的には、ここ10年くらいまでの間に45%くらいまでに引き上げたいという目標を定めたわけである。  もちろん、我々も法律の制定過程において自給率は設定すべきだと主張してきた経緯がある。ただし、数字だけが一人歩きをしても何の意味も持たない。つまり、それぞれの地域がもっている特性がどう生かされるのかという地域の農業振興方針というものが明確にされて、それに基づいて、それにふさわしい施策が重点化される。  実は、政策が重点化されていくというところに主眼をおいて、自給率の目標設定ということを要求してきた経緯がある。結果的には、そこまではなかなか詰めきれないという国の判断もあって、今のような形になった。それで、各県ともこれを機会に、今一度それぞれの県の目標を設定し直そうという作業をしている。  青森県も、現在120%の自給率だが、それを下げるのか、上げるのかというくらいの政策目標を定めなければ駄目だということから、米はもう伸ばすことは期待できない。りんごも横這いからやや上がり気味かなという程度で、いろんな品目毎に検討した。それを進めていくための政策展開というものも加味して130%を目標に、青森県の農業振興を図っていく。こういうようなガイドラインを示して、今度は県内のそれぞれの地域において、それぞれの特徴があるわけなので、どこでも同じように大豆や小麦をやればいいというものでもないし、畜産も無理な地域もあるので、そういう点からすると、青森県内における地域特性、生産目標といったものを、それぞれのブロック毎に整理をしながら特色のある地域農業の振興を図っていくということに向けて、いろんな国の政策プラス県単独の施策を加えて、そして、特に行政が先走って、上から政策に網をかけるというようなことでなしに、地域や個人が何を求めているのか。将来設計がどこにあるのかということを見極めた上で支援施策を組み立てていくという心構えで青森県の農業振興のための農政を展開したいと考えたわけである。 55 ◯北委員  部長が今言ったように、県内各地域それぞれ特徴があるわけなので、その辺のところは、きめ細かい指導をお願いしたい。これから農林部が水産部と統合して各出先等の統廃合をすると聞いているが、どこの事務所で各農家に対して指導にあたることになるのか。 56 ◯仙北農林部長
     青森県で農政を展開していく過程で、数年前から農業構造政策のローラー作戦というものを展開している。それは、先程申し上げたように、現地が求めている施策を、本当に求めているものを確認して関係者の合意形成のもとに事業を張り付けていく。  そのためには、本庁の組織、どうも行政が縦割りで事業をバラバラに張り付けていくという批判も受けなければならないことも間々あるわけなので、それについて横の連携をとる。土地基盤整備をやるためには何が必要なのか、土地基盤の事業はもちろん必要だが、それを取り巻く条件整備というものについてはということになると、各課関係機関がスクラムを組まなければならないという形で、本庁にそういう推進本部というものを設定し、出先機関においては農林事務所単位に、農林事務所を窓口にして各機関が横の連携をとる。こういう形を取って、一番現地の動きを把握できるのが普及センターであるとの位置付けのもとに、現地の動きを持ち寄って、それを農林事務所を中心にまな板に上げて、そして希望する方向、希望する施策を張り付けていく。こういうような工夫をしているつもりであるので、今まで大型の事業だけをドカンと落として終わりということがなかったわけではないので、そういう反省も含めて、ソフト、ハード、県単、国の補助事業をうまく組み合わせる形ができるような指導体制を仕組んでいるわけである。 57 ◯北委員  なにしろ、何をやればいいとか、そして後継者の問題が非常に今、問題化されている。私もいろいろな会合に出て、どうすればいいのかということで、いろいろ論議する場があるわけだが、それらも含めて一つ、これからも指導してもらいたい。  それから、林業について、スプルスをはじめとする外材が随分入ってきているが、全消費に対するその割合がどれくらいなのか一つ教えていただきたい。 58 ◯納谷林政課長  全国の自給率で申し上げると、ここ数年20%前後で推移している。青森県は、現在のところ約65%という状況である。 59 ◯北委員  青森県は65%が県内産でまかなえるということで、これは、随分高い数字だが、林業は今、スギとかヒノキになっているようなことで、これはもっと、切れば切りっぱなしというような話もあったわけだが、例えばケヤキとか、そういうようなものの植林とかは進められないものか。 60 ◯納谷林政課長  林業は非常に長期間を要するということで、私は今2つの方向を考えている。一つは、スギの人工林の面積が全国4番というようなことが一つ、これは、やはり利活用すべきだと。それから昨今の森林に対する国民、県民のいろんなニーズも変わってきている。そういうことで、先般16日に国において基本法を改正した。それを受けて林業基本計画が出てくると思う。我が県も、県議会で知事が、13年度中に青森県の森林・林業基本計画を作るんだということであるので、その中で、委員から話があった広葉樹にシフトしていくような考え方で進めているところである。 61 ◯北委員  聞くところによると、海というのは、山からいろいろな養分が流れて豊かになるというようなものもあり、先般、NHKの報道番組で知床の海岸砂防工事の番組があったが、林政課長から指導を受けた私の若い時のことを思い出していたが、どうぞ一つ、これからも指導をよろしくお願いしたい。 62 ◯三上(隆)委員  アメリカからの輸入りんごについてだが、先般、農林部から試食のりんごをいただいた。食べてみたら非常においしかった。実は、私の自家製のりんごと比較試食してみた。そのときは、どれがどっちだか教えないで試食したので、かえってそっちの方が緻密でいいと感じたところである。私のりんごは、わい化のりんごである。わい化のりんごと今年のりんごの特徴からいって、そういう結果が出たのかどうか。そして何日か後に、冷蔵庫に入れておいたものを食べたら輸入物が全く駄目になっていた。それは、りんごの個体そのものの質もあったと思う。それを平均すると、まあまあ競争に値しないのかなあという楽観的な考えになったが、最初食べたときは、これは以外だなあと思った。あれで競争するのであれば、日本の今のような作り方で行くと、私は大変恐怖だと思っている。従って、専門的な立場で輸入りんごを試食してみて、どういう結果になっているのか。まず、そのことを伺いたい。  もう一つは、わい化一本でいいのかということである。わい化のりんごは、どらかというと水分がなくて、細胞が雑だというか、緻密性に欠けているという点もあるので、それの反省点も含めて伺いたい。  それから、農林部長に一番最後にお聞きするが、今まで、予算委員会、あるいは一般質問等々で会派に関係なく、日本の、青森県の農業の現状は厳しいということを大変厳しく訴えられた。しかし、その農政の転換を訴えた人は少ないと思う。そこで、農林部長は今まで国の制度の中で、青森県のおかれた自然的、社会的、経済的条件の中で、国の制約の中で精一杯やったとしても与野党関係なく苦情が出ているという状況を見て、これからの青森県の農業を、幸いに国では食料自給率を上げるという農業基本計画ができた。それらも踏まえて、どうしたら日本農業が、若者が夢を持って、そして自給率を上げて、安心して安全な食料を供給してできるのかどうか。その長い経験の中から一つの大きな示唆を与えていただいて、また新天地で頑張っていただきたいということをお願い申し上げながら、最後に部長の考えをお聞かせいただければと思う。 63 ◯一戸りんご果樹課長  アメリカ産ふじの食味の問題だが、今回、航空便できたものと船便できたものと、輸出業者が2社ということで、全体を通してみると非常にばらつきがある。委員の話にあった試食したりんごは、最後の船便で来た非常に着色のいいものではないかと思う。  これまでの輸入りんごも含めて、今のところ県産のふじに食味では劣っていると考えている。ただ、着色の具合あるいは輸送の方法を、昨年から今年にかけて変えてきているといったことで、日本の市場をターゲットにした販売戦略に変えてきているという感じがしている。  食味というのは、単に糖度だけの問題ではなくて、酸度との関係とか、食感といったところが総合的に評価されるものであり、そういった意味では、堅いとか緻密といったものだけでは、なかなか評価できないし、総合評価という形になれば、最終的には食べてみた感じということになる。  そういった意味で、今回の着色のいいりんごが、こちらのりんごに負けないという評価の方も多分あるかと思うが、試験場でチェックした結果では、今のところまだ県内産より落ちると、これは、一定の期間をかけてアメリカから日本に入ってきたということなので、そういったことからの品質管理の問題、その前の薫蒸処理とかが影響するので、やはり、これは我々としても将来的にはアメリカ産ふじは驚異になるという前提で生産対策、流通対策をきちっとやらなければならないと考えている。  それから、わい化の問題は、これは非常に難しいが、わい化と普通体、食味の比較試験というのをりんご試験場が、かなり前だがやっている。その結果では差がない。逆に、わい化栽培のものが良かったという結果が出ている。これは大した差ではないが。そういった意味で、わい化が必ずしも劣るということではなくて、その場の土壌条件とか、日照条件とか、栽培管理技術の問題だとか。そういったことが全体としてそういう評価になってくると思うので、そういった意味では、できるだけ品質のいいものを多く生産していくということで、これからも指導していきたい。 64 ◯仙北農林部長  戦後の農業政策を点検すると、戦後の混乱期、農地解放から、いわゆる国家管理というか中央管理の農政を展開してきている。そういう中で、昭和30年代中頃から農業の近代化対策、農業基本法下における農業近代化対策というものが展開されていく。それが又、一定の国の枠の中、国の政策の方向性に右習えという考え方が非常に強かっただろうと思う。  そういう経緯を踏まえて、昭和40年代の後半から昭和50年代にかけて、国が地域農政という言葉を使い始めたわけである。つまり、それぞれの地域の自主性を尊重し、それぞれの地域や個別経営の創意工夫が生かされるような農政を展開しなければならないという謳い文句を国が打ち出してきた。しかし、私が地方の農政を長らく担当して、米の生産調整の手法を見ても分かるとおり、考え方と実際の政策展開の手法にかなりの乖離があって、私は、地域農政という意識は、ほとんど持たないままに今日に至ってきたという気持ちを持っている。  そこで、我々が提案して実行しているのが、先程も申し上げた農業構造政策のローラー作戦というスローガンを提唱したわけである。つまり、国の言っている地域農政をより踏み込んで、私は地域選択型農政という言葉を使ったわけである。つまり、個人、地域の思っている特性、あるいは将来設計というものを大切にしながら、それを支援する農政でなければならない。  そういう点で、オールジャパンの政策展開、つまり規模拡大、単一経営化、そしてコスト低減、アメリカ型の農業、こういうふうにあまりにも右習え式の政策が打ち出されすぎたのではないか。やはり、地域も個人も日本の北から南までの列島を考えると、非常に地域特性が違う。その地域特性にあった政策を打ち出していくということに、少し力がかけられなかったのではないか。  例えば、三戸管内の他品目の複合経営などは、昭和36年に農業基本法ができたときには、ああいう農業経営は時代遅れだというふうに言われたし、当時の幹部もそういう意識で構造改善しなければならないと言われたことを記憶している。しかし、それぞれの地域には、それぞれの地域のやり方というものがあるということであり、どうも国の農政の流れを見ると、個々の地域とか個々の経営というものに手を貸すというところまでは、なかなか及ばなかったのではないかという気がしてならない。  そういう点では、我々が今一生懸命きめ細かく同じ問題意識を持った農家が固まりになって問題解決にあたっていくと、そして本当の意味での合意形成をした上で支援の手をさしのべていくと。こういうようなことをきめ細かくやっていく。このローラー作戦というものを私は、青森県だけでなくて全国に考え方が広まって、そして真に国の政策も地方の政策も満たされていくというものと思っている。  21世紀、青森県はそういう意味では、地域特性が非常にそれぞれの地域がバラエティーに富んで特色を持っているので、その特徴を生かしていくということに意を配して、全国にない青森県型の地域農業というものが確立されていけるような条件をつくっていかなければならない。  そういう意味で、今回、「21青森農業の発展方向」というものも整備して、これを参考にしてそれぞれの地域に頑張ってもらうとという整理をしたわけであるので、よろしくお願いしたい。 65 ◯三上(隆)委員  今、仙北農林部長の御高見を拝聴して、日本農業にも光明があるという感じがした。  ただ、今までの日本の農政というのは、補助金あっての農政であったかなあと思うわけで、その意味では、補助金なしでは、今、部長が言われることの実現は不可能であろうと思う。そこで、私は、日本の今の農政に要望したいことは、補助金というものは、そもそもは、現状の殻から抜け出す場合に、それを誘導する、普及するそういう補助金だと思う。補助金というのは、いつまでも続くものではないはずである。その補助金が続かなくてもいい条件というのは、生産の条件も、流通の条件も、加工の条件もその補助金が切れる段階で完成していなければ普遍化しない。それが、いつまで経ってもできなかったということは、補助金そのものが日本の農政ではなかったか。そのことに思いを致すわけである。どうか、活躍する場所が現在と違っても、我々と一緒になって、日本農業の発展のために頑張っていただきたい。 66 ◯長峰委員長  ◎質疑終了宣告  ◎特定付託案件継続審査=決定  ◎委員長報告作成一任取り付け  ◎委員長あいさつ   本日の委員会は、農林委員会として最後の委員会になるわけであるので、有終の  美を飾らんとして心得てきたが、委員長の議事の運びが大変まずく、お詫びを申し  上げる。どうぞ、職員の皆さん方、今度、農林水産部になるわけであるので、急速  に運ばれていくと、なかなか大変だと思う。調べてもらったところ、全国で農林と  水産2部制になっている県が18県あった。そのうち、水産と林業が一緒になって  いるのは、これは、なかなか先見の明があったというか、林業水産部という県が8  県ある。今度、農林水産部となって、本庁もそうだが、現場が今度は広くなってい  くということで、仕事の範囲も大変広くなるわけだが、どうぞ一つ、今後とも青森  県の農業の振興のために、一段と力を出していただきたい。   委員の皆様方には、大変いたらない委員長を支えていただき、ここまできた。県  内、県外の調査も有意義な調査であった。最後の委員長ということで、私自身もい  ろいろ足りないこともあったが、精一杯頑張ったつもりである。大変、今まで御協  力をいただき、委員の皆さん方、職員の皆さん方にお礼を申し上げる。これをもっ  て委員会を終わる。 午後 零時17分閉会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights 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